今週の一冊:独りだけのウィルダーネス

独りだけのウイルダーネス

書名 独りだけのウィルダーネス
副書名 アラスカ・森の生活
著者名 リチャード・プローンネク/著
著者名 サム・キース/編
著者名 吉川竣二/訳
価格 ¥2900
出版者 東京創元社
出版年 198806
大きさ 21cm
ページ数 270p 図版40p

はっきり言おう。この本はすばらしい。
アリスファームの藤本さんが大絶賛していた訳がよく理解できた。
前回のアラスカ原野行と違い、この本は内容だけでなく翻訳もすばらしい。
表現が良い。本当のアウトドアーズが訳したんだと思う。
さて、本の内容だが、
1968年からアラスカのツインレイクに、2年がかりで小屋を建てて冬を越した男のエッセイ。
名前はディック(リチャード)ブローンネク。
小屋はもちろんログハウス。
と言うよりは小さな丸太小屋。
最初の夏にスプルースを切り出し皮を剥いで一冬乾燥させた。
次の夏に再びアラスカを訪れ小屋を建てた。
建てるにあたってはたった一人、手工具だけで作った。
建てる行程も非常に丁寧に描写されており、思わずmituもやってみたくなった。
本当に、楽しんでいる気持ちが伝わってくる。

mituは思った。最初のログハウスはこうやって造られたモノなのだと。
極寒の地で快適に過ごす知恵。小さな丸太小屋。
某別荘地にあるような巨大なログハウスは邪道なのかもしれない。
(注)BFのことではない。

そしてディックはアラスカの自然を最高に楽しんでいる。
ムースや熊をスポッティングスコープという高倍率の望遠鏡で眺めたり、
湖をカヌーで渡ったり、山に登ったり、釣りをしたり。
そして食べるためのハンティング。
自然に対して最小限のインパクトを心がけ、ハンターの後始末をして自然を守っている。
アラスカの自然が好きで仕方がないのだ。

また、小屋を熊に襲われるシーンはドキドキした。
ドアを熊がガンガン叩く。
そんな恐ろしい目にも遭っている。
日本のツキノワグマとは訳が違う。
グリズリーとかブラウンベアである。
また、トレッキング中にも熊に襲われている。
そのときもディックは奇跡的に無傷で助かった。
銃を必要と考えない彼も、それ以降は銃の携行を考えたようだ。
日本では銃を持つことはできない。
でも、アメリカでは普通にアウトドアショップに並んでいてビックリした。
野田知佑も行っているが、やはり、銃の必要な世界もあるのだとおもった。

ディックは熊に襲われたムースの子供を拾った。
育てるつもりになったか残念なことに死んでしまった。
mituは読んでいて悲しかった。
でも彼はそのことをクヨクヨ考えることなく、すぐにあきらめた。
それがmituにはとても印象的だった。
死というものが、そこら中にあふれているウイルダーネスでは普通のことなのだろう。
ウイルダーネスではそういうものなのだと感じた。

そして本の最後、ディックは年老いたオヤジさんを看るために2年間のアラスカの生活に終止符を打ってアメリカ本土に帰った。
そのとき小屋に残した手紙がまた印象的だった。
「私の小屋に鍵は下ろさない。
ウイルダーネスに建つ小屋は避難の場として必要とするものがいつでも使えるようにオープンであるべきというのが私の考えだからだ。
この小屋の使用料として要求するものはさして多くない。
すなわち道具類を使用する際は私がそうしたように大切に扱っていただきたいということ。
ここを立ち去る時には訪れた時と同じ状態にしていくこと。
この二つを守っていただければあなたは使用料を全額支払ったことになる。」
なんて、大きな心なのだろう。本当に良い本だった。

最後に、この本の中にはディックが撮影した写真が折り込まれている。
この写真が、美しい。想像し得ないアラスカの姿を教えてくれる貴重な資料。
それを見てディックの文章が本物であることを裏付ける。
アラスカの夏。そして冬。景色。動物。そこで丸太小屋を作るディック?
アレ?独りきりじゃないの?だとするとこれはセルフタイマー?
凄すぎる技です。シェルパー斉藤も真っ青!!

価格は2900円と高価ですが、この本は本当にお薦めです。
お奨め度☆☆☆☆☆(満点)
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2007-11-22(Thu)
 

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